開発エンジンとしてのGhost

市民開発 の開発エンジンとして

WordPress は、柔軟で拡張性の高いプラグインや豊富なテーマを持つことから、Webアプリケーションの汎用エンジンとして幅広く活用されている。しかし、多機能性が裏目となって学習コストが高く、作法も複雑であるため初心者にはやや敷居が高い。ヘッドレスCMSとしてREST APIの利用は容易だが、その場合、PHPに加えて他言語を用いる場面が増え、初心者には開発環境や言語間の一貫性を維持することが難しくなり、学習曲線が急になりがちである。

一方で Ghost は、ブログやコンテンツ配信に特化した設計で、シンプルかつ直感的な操作性を特徴とする。採用しているHandlebarsというテンプレートエンジンは比較的習得が容易であり、HTML・CSS・JavaScriptの基礎を学んだ人が次の段階へと進むのに適している。また、コンテンツ中心の設計思想により、余分な機能が削ぎ落とされているため、ユーザーはコンテンツ制作や運営に集中できる。

したがって、幅広い用途や高度なカスタマイズ性を求める場合はWordPressが適しているが、明確でシンプルな目的を持ったコンテンツの管理・配信を行う場合にはGhostがより優れていると言える。特に初心者がAPI活用やバイブコーディングを練習する際には、Ghostの方が学習効率が良く、ゼミや教育現場での活用にも適している。

実際にバイブコーディングでGhostのテーマを作成してみたが、これならノンプログラマーでも無理なくチャレンジできそうだ。ローカル開発の環境設定もnpm(パッケージマネージャ)で簡単に行えるため(ただし、初心者はパッケージの依存性で苦労する可能性がある)、コンピュータのリソースを過度に消費しない点も好感が持てる。